「いびきをかく」「歯が生えてこない」「口呼吸が多い」

こうしたお悩みは成長過程のひとつに思えるかもしれません。しかし、これらの症状が複数見られる場合、もしかすると「口腔機能発達不全症」の兆候かもしれません。

特に小児期は、顔面や顎、歯列、そしてお口周囲の筋肉が急速に発達する重要な時期です。

この時期に、正しい口腔機能が発達されていないと、食事や発音、姿勢、睡眠の質など、日常生活のさまざまな場面に影響を及ぼすことがあります。

本記事では、口腔機能発達不全症について詳しくご説明します。

■口腔機能発達不全症とは？

「口腔機能発達不全症」は、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった口の基本的な機能に何らかの遅れやアンバランスがある状態を指します。

医学的には、これらの機能が年齢相応に発達していない場合や、日常生活に支障が出ていると判断される場合に、この診断名が用いられることがあります。

◎よく見られる症状の例

• 食事中によくこぼす

• 噛まずに飲み込む

• 食事に時間がかかる

• 常に口が開いている

• 鼻呼吸ができず口呼吸が習慣化している

• 指しゃぶりが続いている（就学年齢以降もやめられない）

• 寝ているときにいびきをかく

• 眠りが浅い

• 発音が不明瞭

• 言葉のつまずきがある

• 年齢に比べて歯の生える時期が遅い

これらの症状は、単独では見過ごされやすいものですが、いくつかが重なって見られる場合には、歯科医院や耳鼻科などの専門機関で検査を受けることが望ましいとされています。

■「もしかして？」と思ったらチェックしてみましょう

子どもの成長を間近で見守る親御様の気づきは、早期対応の大きなきっかけとなります。

以下のような行動や習慣に、心当たりはありませんか？

• もう大きいけど、指しゃぶりが続いている

• 寝ているときの呼吸が苦しそう

• 口がいつも開いている気がする

• 言葉が聞き取りにくい、滑舌が悪い気がする

これらは、成長の中で個人差もありますが、専門的な観察によって対応が必要かどうかを判断できるケースがあります。

■プレオルソによる口腔筋機能トレーニング

「プレオルソ」は、口腔周囲筋や舌の使い方、正しい呼吸の習慣化を促すことを目的としたトレーニング用の装置です。

従来のワイヤー式矯正とは異なり、歯を直接動かすのではなく、習慣や機能を改善することで、口腔内環境を整えるというアプローチです。

そして、プレオルソは口腔機能発達不全症のお子様にも有効な治療方法です。

プレオルソは、以下のような機能にアプローチします。

• 舌を正しい位置に置く（スポットポジション）

• 鼻呼吸の定着

• 唇を閉じる習慣

• 咀嚼・嚥下のリズムを整える

【口腔機能発達不全症かも？と思った場合は早めのご相談を】

「いびき」「口呼吸」「歯が生えない」「指しゃぶりが長い」など、子どもの成長の中で見られる行動や癖には、口腔機能発達不全症のヒントが隠れているかもしれません。放っておくと、将来的な歯並びや咀嚼機能、さらには呼吸や睡眠にも影響を及ぼす可能性も考えられます。

些細な変化に気づくことが、子どもの健やかな成長への第一歩です。そして、その気づきを行動につなげることが、将来の健康に大きく関わってきます。

なお「口腔機能発達不全症を放置した場合に起こりうるリスクや影響について」は、今後別記事で詳しく解説予定です。気になる方は、ぜひそちらも併せてご覧ください。