子どもの歯科矯正は、正しい噛み合わせや、自然な歯並びを手に入れるための大切なステップですが、矯正治療が終わった後に歯並びが元に戻ってしまうことがあるという話を耳にしたことがある方も多いかもしれません。
では、実際にそういったことがあるのか、そしてそれを防ぐためには何ができるのかを考えてみましょう。
目次
■歯並びが戻ることはあるのか?
◎矯正後の変化とは
矯正治療を終えた後でも、歯が動くことはあります。これは、歯を支えている骨や歯ぐきが完全に安定するまでに時間がかかるためです。特に成長期の子どもは、顎や顔の成長が続き、乳歯と永久歯が生え変わる時期でもあります。
それに伴い、歯が新しい位置に移動していくことがあります。
◎保定が大切
矯正治療後に歯並びが戻ってしまうのを防ぐために、重要なのが「保定」です。
保定とは、矯正によって動かした歯をその位置に安定させるための期間で、リテーナーという装置を用います。
リテーナーは、歯が元の位置に戻ろうとする力を抑える役割を果たします。保定期間は個人差がありますが、通常は矯正にかかった期間と同じ期間続けることが推奨されています。
■歯並びが戻る原因と対策
◎悪習慣の影響
矯正治療が終わった後でも、歯並びが元に戻ってしまうことがあります。その主な原因の一つが悪習慣です。
例えば、舌癖や口呼吸が挙げられます。舌癖とは、無意識のうちに舌を歯に押し付ける癖のことを指します。これは、歯に継続的な圧力をかけるため、顎の骨が成長途中の子どもだと歯並びが変わってしまう原因のひとつなのです。
また、口呼吸は口を開けた状態が長時間続くため、歯並びや顎の発達に悪影響を及ぼすことがあります。
◎悪習慣の改善:MFT (口腔筋機能療法)
一つの効果的な方法として、MFT(口腔筋機能療法)があります。
MFTは、口周りの筋肉のバランスを鍛えたり整えるためのトレーニングで、舌の位置や口呼吸を改善するのに役立ちます。
当院では歯科衛生士が中心となって、MFTを行っております。
◎保護者の方にもサポートをお願いしています
子どもの矯正後のケアには、保護者の方のサポートが不可欠です。
特に、お子様だけだとリテーナーの使用を忘れたり、意識しないと悪習慣を改善することが難しい場合があります。
保護者の方には、お子様の様子をよく見ていただき、お声掛けをお願いしています。
■矯正後の歯並びを維持するために
◎定期的な歯科検診を受診する
矯正治療が終わった後も、定期的な歯科検診を受けることが重要です。定期的に歯科検診を受けることで歯の後戻りや口腔内の状態を確認します。
◎リテーナーを正しく使う
矯正治療によって動かされた歯は、周囲の骨や組織が新しい位置に適応するまでの間、不安定な状態にあります。このため、リテーナーを使用しないと歯が元の位置に戻ってしまう可能性があります。歯科医師と相談しながら装着時間を決め、リテーナーを正しく使うようにしましょう。
【子どもの矯正後の後戻り対策は様々です】
当院では、後戻りのリスクを軽減するため、アフターケアも重視しています。
リテーナーの使用方法やメンテナンスのポイントについて、歯科医師・歯科衛生士が丁寧に指導いたします。
また、定期的な検診を通じて、歯並びを長期間安定させるためのサポートを行っています。
悪習慣の改善や定期的な歯科検診を通じて、自然な歯並びを維持するために、親子で取り組んでいきましょう。