近年歯科治療では、従来のワイヤー式矯正に代わり、マウスピース矯正(インビザライン)を選択する方が増えています。
しかし、多くの方が気になるのは「矯正期間」ではないでしょうか。
この記事では、インビザラインの矯正期間について詳しく解説します。
目次
■矯正治療の一般的な期間
矯正治療は患者様の歯並びの状態や治療方法によって期間が異なります。
一般的には、従来のワイヤー式矯正で約1年半から3年程度が標準とされています。
一方、インビザラインを用いた矯正では、平均して1年半から2年、最長で5年程度とされています。
※治療期間は患者様によって異なります。
■全体矯正と部分矯正の期間の違い
矯正治療には、歯の全体の噛み合わせ・歯並びを整える全体矯正と、一部分だけを整える部分矯正があります。それぞれの治療期間についてご説明します。
◎全体矯正
全体矯正は、歯列全体を整えるための治療です。この治療では、上下の歯を対象に矯正を行うため、治療期間は長めになります。
インビザラインを利用した全体矯正では、平均して1年半年から2年程度が一般的です。重度の歯並びの乱れなどの症例によっては、3年〜5年かかることもあります。
◎部分矯正
部分矯正は、特定の部位のみを矯正する治療法です。例えば、前歯だけを整える場合や、特定の歯だけを動かす場合などが該当します。部分矯正の期間は全体矯正に比べて短く、インビザラインを用いた場合、平均して半年から1年程度で完了することが多いです。
■症例によって治療が長引く場合も
インビザラインによる矯正治療は、患者様の歯並びの状態によっては治療が長引くこともあります。
以下のような場合には、治療がより長くなることがあります。
◎歯の位置が大きくずれている場合
歯を動かす仕組みとして、歯の根っこを覆う「歯根膜」が重要な役割を担っています。
インビザラインによって歯を矯正しようと力がかかる時、歯根膜が伸びたり縮んだりします。同時に歯槽骨(歯の根っこを支える顎の骨)が吸収され、また新たに歯槽骨が作られるという繰り返しが起きます。
歯の位置が大きくずれている場合は、この過程に時間がかかるため、治療が長引くことがあります。
◎患者様の協力が不十分な場合
インビザラインは取り外しが可能なため、患者様に指定された時間(通常は1日20時間以上)装着しないと、治療が計画通りに進まないことがあります。
装着する時間が短くなってしまうと、その分歯を矯正する時間も減り、治療計画の練り直しや期間が増えてしまうことになるのです。
■保定期間について
残念ながら矯正治療の完了後は、これで終了!ではありません。
歯列が正しい位置に整っても、歯は元の位置を覚えていると言われています。矯正治療後に歯が元の位置に戻らないようにするために、リテーナーと呼ばれる保定装置を着ける必要があるのです。
保定期間は一般的に矯正を行なった期間と同期間、必要となります。
保定についての詳細は、2月後半で詳しく解説します。
■インビザラインの矯正期間を短縮するためのポイント
インビザラインの矯正期間をできるだけ短縮するためには、以下のポイントを守ることが重要です。
◎装着時間を守る
1日20時間以上の装着を守ることが、治療の進行をスムーズにします。
◎定期的に歯科医院を受診する
指定されたスケジュールで歯科医院を訪問し、治療の進行を確認することが大切です。定期的に通院することで、スムーズに矯正が進んでいるか、むし歯や歯周病になっていないかなどを確認できます。
【マウスピース矯正の治療期間は症例や患者様協力度によって大きく変わります】
マウスピース矯正(インビザライン)の矯正期間は、症例や治療の範囲によって異なりますが、全体矯正で1年半から2年、部分矯正で半年から1年程度が一般的です。
※治療期間は患者様によって異なります。
治療が長引く場合もありますが、装着時間を守り、定期的な検診を受けることで、できるだけスムーズに治療を進めることができます。
マウスピース矯正は患者様の協力が大切な治療になりますが、歯科医院でもできることはサポートいたしますのでご不安な点があればお気軽にご相談ください。