
全体的な歯並びではなく、前歯だけ・一部の歯だけを整えたい場合に選ばれやすいのが マウスピースによる部分矯正です。
この記事では、インビザラインの部分矯正の基本、治療期間・費用の目安、さらにリーズナブルに行える部分矯正について解説します。
目次
■マウスピースによる部分矯正とは?
まずは、マウスピース矯正の中でも「部分矯正」と呼ばれる治療がどういうものかを詳しく見ていきましょう。
◎部分矯正は前歯を中心に“限られた範囲”を整える治療
部分矯正とは、上下どちらかの前歯、または一部の歯並びだけを改善する矯正方法です。
全体矯正と違い、奥歯の噛み合わせまでは大きく動かさない事が多いです。
◎インビザラインでも部分矯正が可能
インビザラインには、軽度の歯列不正に対応できる 「インビザライン エクスプレス」「インビザライン ライト」など、症例に応じて一部だけ動かす計画を立てることも可能です。ただし、適応できるのは「軽度の乱れ」に限られるため、適切な診断が重要になります。
■部分矯正の治療期間|短期間で終わるって本当?
ここでは、実際にどれくらいの期間で治療が完了するのか、一般的な目安を解説します。
◎多くは3ヵ月~1年半ほどで完了
部分矯正の治療期間は、歯の動かす量や範囲によって異なりますが、目安は 3ヵ月~1年半ほど。全体矯正(2年~3年半ほど)と比べても、短期間で終わるケースが多い傾向です。
◎期間が短い理由:動かす範囲が限定されているから
部分矯正は、奥歯の噛み合わせを大きく動かさず、前歯を中心に整えるため、マウスピース(アライナー)の枚数が少なく済みます。その分、治療完了までのスピードが早いのが特徴です。
■部分矯正の費用|通常のインビザラインより“安い”理由
ここでは、具体的な費用の目安と安くなる理由を説明します。
◎費用の目安:10〜50万円ほど
部分矯正の費用は、歯科医院や症例によって差がありますが、一般的には 片顎10〜30万円、上下20〜50万円ほどが相場です。
◎安くなる理由:治療範囲が狭く、アライナー枚数が少ないため
費用は「作成するアライナー枚数」や「治療計画の複雑さ」などが変わるため、部分矯正のように歯を動かす範囲が限定される場合は、その分コストも下がりやすいです。
■部分矯正で対応できる歯並び・難しい歯並び
すべての歯並びが部分矯正で治せるわけではありません。ここでは、インビザラインの部分矯正の適応を解説します。
◎ 部分矯正で対応しやすいケース
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前歯の軽いガタつき
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軽度のすきっ歯
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1〜2本だけ傾いている
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軽いねじれや傾斜
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昔矯正したが、前歯だけ後戻りしている
◎部分矯正が難しい・不向きなケース
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噛み合わせに大きな問題がある
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出っ歯・受け口など骨格的な問題を伴う
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奥歯の位置に問題がある
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上下のバランスが崩れている
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ガタつきが強く、歯をきれいに並べるスペースがない
■お手頃価格の安い部分矯正って?
最近は、SNS広告などで「5万円〜」「最短1ヵ月」などリーズナブルに治療を行える矯正治療を見かけることもあります。
◎診断・検査が不十分な可能性
お手頃に矯正治療を行えるケースの多くは、
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精密検査がない
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噛み合わせを見ていない
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問題が起こった際のフォロー体制が弱い
など、治療の品質に差があるケースもあります。
◎動かせない歯を無理に動かしてしまうリスク
本来なら全体矯正が必要な症例でも、「部分矯正でできます」と判断されてしまうと、
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理想の仕上がりにならなかった
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噛み合わせが悪化
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後戻りしやすくなる
といったリスクが高まることもあります。
【インビザラインでもできる部分矯正】
マウスピースによる部分矯正は、比較的安い費用で前歯の乱れを整えられる便利な治療です。ただし、対応できる範囲が限られており、誰でも適応できるわけではありません。
最終的に「部分矯正が可能かどうか」は、精密検査によって決まるため、まずは信頼できる歯科医院で正しい診断を受けることが大切です。
