
子どもの口呼吸や舌癖、正しい飲み込みの習慣づくりに役立つ「MFT(口腔筋機能療法)」。
今回は、MFTトレーニングのやり方や自宅でのおさらいポイントを、詳しく紹介していきます。基礎から知りたい方は、以前公開したMFT解説記事もあわせてご確認ください。
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目次
■MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFTは、舌・唇・頬などの筋肉を正しく使うためのリハビリトレーニングです。
「口呼吸」「舌が前に出る」「飲み込み方が間違っている」などの癖は、歯並びや噛み合わせにも影響するため、幼児〜小学生でもトレーニングが必要になることがあります。
MFTの目的は主に以下の3つです。
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正しい舌の位置を習慣にする
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鼻呼吸へ誘導する
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口周りの筋肉バランスを整え、噛む・飲む・話すの機能を改善する
■子どものMFTトレーニングで身につけたい“基本の姿勢”
MFTの効果を高めるには、いくつかの“基本姿勢”を身につけることが第一歩になります。ここをできるだけ正しく習慣化できると、後のトレーニングがよりスムーズに進むことが期待できます。
MFTでは、以下の3つの基本姿勢を重要視します。
◎舌の正しい位置(スポットポジション)
舌先を上顎の前歯のすぐ後ろ(スポット)に軽く触れさせ、舌全体が上顎にふわっと貼りつくような位置が正しい位置です。
これが習慣化されると、口が開きにくくなり鼻呼吸の安定に繋がります。
◎唇を軽く閉じる
強く閉じるのではなく、「力を入れずに閉じられるか」がポイントです。普段から口が開いてしまう子は、まずこの姿勢の習慣化が大切です。
◎鼻で静かに呼吸する
鼻呼吸ができないと、トレーニングの効果がが十分に得られないことがあります。鼻づまりがある場合は、まずは耳鼻科受診を優先することもあります。
■自宅でできるMFTトレーニングのやり方
ここでは、歯科医院で指導されることの多いMFTトレーニングの中から、家庭でも取り組みやすいものを紹介します。
① 舌さきトレーニング(スポット保持)
舌先をスポットに当てたまま10秒キープ。
これを1日3セット行います。
舌の位置が安定し、口が開きづらくなる練習です。
② ストロー・水を使った正しい飲み込み練習
水を一口含み、舌を上に押しつけながら飲み込む練習です。
舌が前に出るクセ(舌突出癖)の改善に役立ちます。
③ 風船トレーニング
口輪筋を使って息をコントロールする練習です。口周りの筋肉を強化し、口をしっかり閉じられるように訓練します。
■MFTトレーニングを子どもが続けるためのコツ
MFTは「正しい筋肉の使い方を習慣にする」ためのトレーニングです。毎日継続して行うことで、トレーニングの成果がより高まります。
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1日数分を毎日続ける
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できたらシールを貼るなどゲーム感覚にして飽きさせない工夫を
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姿勢を整えて行う(背筋を伸ばし、足をしっかりつける)
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きちんとできているか、親が見てあげる
■子どものMFTで注意したい点
自宅で行う際に注意してほしいポイントをまとめました。誤ったやり方で行うと効果が出にくいこともあるため、注意するようにしましょう。
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痛みが出るほど強く行わない
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鼻づまりがある場合は呼吸トレーニングを無理にしない
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自己判断で高度なトレーニングに進まない
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改善が見られない場合は歯科医院で再度評価を受ける
MFTは歯科医師や衛生士などの専門家と取り組むことで、より高い効果が期待できます。定期的に歯科医院でチェックしながら進めましょう。
【子どものMFTトレーニングは“継続”がカギ。正しいやり方で口呼吸・舌癖を改善へ】
MFT(口腔筋昨日療法)の具体的なトレーニングについてご紹介しました。基礎から知りたい方は、過去のMFT記事も合わせてご覧ください。
自宅での練習はあくまで“おさらい”です。定期的に歯科医院で確認しながら、無理なく続けていきましょう。
