マウスピース矯正(インビザライン)は、取り外しが可能で目立ちにくい矯正方法として選択する方が増えています。特に成長期のお子様の場合、「体育の授業」や「部活動でのスポーツ」を継続しながら治療を受けられるのか、気になる親御様も多いでしょう。
本記事では、矯正中にスポーツを行う際の注意点や、運動の種類ごとのポイントをわかりやすく解説します。
目次
■マウスピース矯正とスポーツの基本的な考え方
矯正治療中だからといって運動が制限されるわけではありません。ただし、装着時間の管理や競技の特性に応じた工夫が必要です。ここでは、マウスピース矯正と運動の相性について基本的な考え方を解説します。
◎日常生活の運動は可能
マウスピース(以下アライナー)は透明で薄い素材を使用しており、軽い運動や日常的な体育の授業であれば問題なく、装着したまま参加できます。走る・跳ぶといった一般的な運動は、矯正治療への影響が少ないと考えられています。
◎外しても治療に影響しない範囲
インビザラインは1日20時間以上の装着が推奨されています。そのため、運動中に外す場合も、時間を調整してトータルの装着時間を確保することが大切です。
■スポーツの種類別に見る注意点
スポーツと一口に言っても、競技によってリスクの度合いは異なります。ここでは、代表的なスポーツごとの注意点を整理します。
◎コンタクトスポーツ(ラグビー・ラクロス・ハンドボール等)
人と接触したり、顔面に衝撃を受ける可能性がある競技では、専用のマウスガードを使用することが推奨されます。試合や激しい練習時はアライナーの上からマウスガードを装着する方法が安全です。
◎球技(野球・サッカー・テニス・バスケ・バドミントン等)
直接的な衝突は少ないものの、ボールや人との衝撃や転倒によるリスクがあります。また運動中は歯を食いしばる方もいるため、アライナーを着けたままにしておくことで歯を保護できます。
ただし、食いしばりなどによる強い力でアライナーの破損を招くおそれもあるため、競技に応じて歯科医師と相談し、対応を決めるのがおすすめです。
◎格闘技(空手・柔道・ボクシング等)
顎や歯に強い衝撃が加わる競技では、アライナーの上からマウスガードを装着しましょう。
◎水泳・陸上競技・ダンス
基本的に安全に装着できます。ただし、プールの塩素や汗による汚れが付着しやすいため、使用後の洗浄を行い、アライナーを清潔に保ちましょう。
■体育の授業とマウスピース矯正
学校の体育は多種多様な運動が含まれるため、矯正中は特に注意が必要です。ここでは、体育の授業での対応についてまとめます。
◎授業の内容に応じて判断
激しい接触のない種目(マラソン、体操、軽い球技など)では装着のままでOKです。柔道やサッカーなど接触の多い競技ではアライナーの上からマウスガードを装着するなどの対応をすると安心です。
◎紛失防止の工夫
アライナーを外して運動を行う場合は清潔なケースに保管し、鞄やロッカーにしまう習慣をつけましょう。ティッシュに包むと紛失や誤廃棄の原因になるため注意が必要です。
【マウスピース矯正中のスポーツも通常通り行えることがほとんどです】
マウスピース矯正中でも、多くのスポーツや体育の授業に参加することが可能です。ただし、競技の種類や強度によってはアライナーの上からマウスガードを推奨することがあります。
「外す時間」と「装着時間の確保」を意識しながら、安全にスポーツと矯正治療を両立させましょう。
「この運動をする時はアライナーを外した方がいいの?」と言った不安は自己判断せず、お気軽に担当歯科医師に相談してくださいね。