矯正治療を終えた後、歯並びを安定させるために行われる「保定」は、矯正治療後も整えた歯並びを維持するために大切です。

本記事では、マウスピース矯正後の保定について、基本的な情報や期間、重要性、保定を正しく行わない場合のリスクについて詳しく解説します。

■保定とは？

保定とは、矯正治療によって正しい位置に移動した歯が、再び矯正前の元の位置に戻るのを防ぐための処置です。矯正装置を外した後は、歯がまだ動きやすく、元の場所に戻りやすい状態にあります。

そのため保定装置を使用して歯を固定し、安定させることが必要です。保定を怠ると、矯正治療の効果が失われるリスクが高まります。

■保定期間について

◎標準的な保定期間

マウスピース矯正の保定期間は、矯正装置を使って歯を動かした期間と同期間行うのが一般的です。矯正に２年かかった場合は保定期間も２年といった具合ですが、患者様の歯並びや治療期間によって異なります。

特に、歯の移動量や年齢、歯の健康状態などが保定期間へ影響します。矯正治療を担当した歯科医師が、患者様の状況に合わせて適切な保定期間を設定します。

◎保定装置の種類

保定装置には、取り外し可能なリテーナーと固定式のリテーナーがあります。取り外し可能なリテーナーは、食事や歯磨きの際に取り外せるため衛生面で優れています。一方、固定式リテーナーは歯の裏側に取り付けられ、一定期間装着したままにすることで、患者様の協力に関わらず効果的に保定を行うことができます。

■保定の重要性

◎歯の安定化

歯が新しい位置にしっかりと固定されるまでには時間がかかります。この期間に適切に保定装置を使用することで、後戻りや再矯正の必要性を減らすことに繋がります。

◎治療効果の維持

矯正治療には時間と費用がかかります。保定を怠ると、せっかくの治療効果が失われ、再矯正が必要になる可能性があります。保定をしっかりと行うことで、治療の成果を長期間維持することができます。

■保定を正しく行わない場合のリスク

◎リスク1: 歯の後戻り

保定を行わない最大のリスクは、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」です。矯正治療後の歯は、元の位置に戻ろうとする力が働きます。これを防ぐために、保定装置を使用して歯を固定することが必要です。

◎リスク2: 歯の動揺と不安定

保定を怠ると、歯が不安定になり、噛み合わせが悪くなることがあります。これにより、食べ物をうまく噛み切れなかったり、歯の健康が損なわれたりする可能性があります。

◎リスク3: 再治療の必要性

歯の後戻りが進行すると、再び矯正治療が必要になることがあります。再治療には追加の費用と時間がかかるため、適切に保定を行うことが重要です。

【保定期間を守り、整った歯並びを維持しましょう】

マウスピース矯正（インビザライン）後の保定は、長期的な歯並びの美しさを維持するために欠かせません。

保定期間中は、歯科医師の指示に従い、適切な保定装置を使用することが重要です。保定を怠ると、後戻りや再矯正のリスクが高まるため、注意が必要です。

正しい噛み合わせや正しい歯並びを維持するために、保定をしっかりと行いましょう。