子どもの歯の矯正は、正しい噛み合わせと正しい歯並びを実現するための大切な治療です。

しかし、矯正中はマウスピースなどの装置が常にお口の中にあることから、乾燥しやすく、むし歯のリスクが高まることがあります。

そのため、親御様には子どもの歯の状態を注意深く見ていただくことが大切です。

この記事では、小児矯正前および矯正中にむし歯が発生した場合の対応方法について詳しく解説します。

■矯正前にむし歯が見つかったら

◎治療を優先する

矯正を始める前にむし歯が見つかった場合、まずはその治療を優先します。むし歯を放置して先に矯正治療を進めると、矯正している間にむし歯が進行してしまいます。

歯科医師に相談し適切な診断を受け、矯正治療を開始するようにしましょう。

◎定期検診を活用

矯正前の段階から、定期的な歯科検診を受けることが大切です。早期発見・早期治療がむし歯の予防につながります。また、歯周病の早期発見・治療にもつながるため、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることで、むし歯や歯周病のリスクを最小限に抑えましょう。

■矯正中にむし歯ができたら

◎歯科医師の診断をもとに治療を受ける

矯正中にむし歯が発生した場合、歯科医師による診断を元に治療を受けましょう。

当院では、プレオルソやインビザライン・ファーストといった取り外し可能な矯正装置をご案内しております。

そのため、ワイヤーやブラケットのような固定式装置に比べて、むし歯治療への移行がスムーズに行えることが多いです。

■むし歯予防のためのポイント

◎口腔内の乾燥を防ぐ

矯正中、マウスピースを長時間装着していると、口腔内が乾燥しやすくなることがあります。

唾液の分泌を促すために水分をこまめに摂取したり、うがいをしたりするなどして、口腔内を潤す工夫をしましょう。

◎毎日のセルフケアが大切

歯磨きやフロスを使って、毎日しっかりと口腔ケアを行うことが重要です。特に、歯磨きをせずにプレオルソやマウスピースを装着すると、むし歯菌が繁殖しやすくなります。そのため、装置を装着する前は歯磨きを行うことが大切です。

◎フッ素入り歯磨き粉の活用

フッ素はむし歯予防に効果的です。

ご自宅でのセルフケアの際は、フッ素入りの歯磨き粉を積極的に使用していただくことを推奨しております。

また、歯に停滞しやすいジェルタイプなども販売されていますので、歯科医師・歯科衛生士の指示のもと、子どものお口の状況に合わせて使用するようにしましょう。

◎定期検診も必ず受ける

矯正治療中も定期的に検診でクリーニングや歯磨き指導などを受けましょう。

また歯科医院では、歯科医院専用の高濃度フッ素塗布を受けていただくこともできます。

【矯正前・中にむし歯にならないためにも、ご自宅でのケアを大切にしましょう】

子どもの矯正治療中は、むし歯のリスクが高まるため、親御様がしっかりとサポートすることが重要です。矯正前・矯正中にむし歯が見つかった場合は、早めの対応と適切な予防策を講じることで、健康な歯を維持し、矯正治療を進めることが可能です。

矯正中に親が気をつけておきたいこと・注意点について詳しく知りたい方は、11月に公開した『小児矯正中に親が気をつけておきたいこと・注意点』の記事をご覧ください。